2010年5月14日 (金)

小澤総監督のさらなる夢

 昨年11月8日、フィレンツェでオペラ「利口な女狐の物語」の松本との共同製作、公演を行った折、小澤さんはサイトウ・キネン・フェスティバル松本設立18年、やがて20年を前にして総監督としての一つの閃きをフィレンツェに集まった側近に伝えた。私は小澤さんの気持ちを早速サイトウ・キネン首脳陣に伝え、理解への根回しを進めた。
 そして暮も迫る昨年12月24日、小澤さんは改めて側近スタッフ10名を東京に呼んで熱く語った。サイトウ・キネン最初の起こり、松本への進展、それから今と。松本から世界に発信して来た音楽祭、オーケストラ、オペラ、室内楽、勉強会は大きな成果となって蓄積できた。もともとの西洋音楽を日本人を軸にしてこれだけ高い水準で出来るようになったと。仮に結果をCDやDVDで発信しても実感としては世界に伝わりにくい。やはりライブで世界の人に伝えたい。そして音楽する世界の多くの若い人に影響させたい。そうすれば新たな指揮者もプレイヤーも育つと。そのためには今後、松本でフェスティバルを行った直後にそのまま世界の主要都市に出向いてこれを示すことだと。
 今年は創立19年を記念して6年ぶりにサイトウ・キネン・オーケストラは海外へ出かける。12月14日、アメリカのニューヨークカーネギーホールに呼ばれて、「
JapanNYC」の初日を飾る。昨年のブリテンの「戦争レクエム」も披露する。まさにサイトウ・キネン・フェスティバル松本のニューヨーク版である。小澤さんは20回目を迎える来年からサイトウ・キネン・フェスティバル松本の世界公演を構想している。しっかりとした目標を持っている。
 ともあれ小澤さんは順調に体力回復が進んでいる様子。4月26日に見直しされた公演内容を発表して、いよいよ準備進行。

  今年はイスラエルの新鋭指揮者オメール・メイア・ヴェルバーによるオペラ「サロメ」に注目して頂き、さらなるサイトウ・キネン・フェスティバル松本への注目と温かいご支援をお願いできればと思います。

2010年3月30日 (火)

小平奈緒とオザワ効果

バンクーバー冬季オリンピックスピードスケートで1000メートル1500メートルで5位入賞、パシュートで銀メタルを取った小平奈緒は家内の実家を継いでいる弟の末娘であるが、2002年2月20日15歳の時、高校進学の身元保証人の頼みに母親と一緒に拙宅に来た。当時からスピードスケートに関心があり、速いと聞いていたが、実際に会ってもう高校生になるのかと感心し、身内でありながら存在感と何となく大物になるオーラをあどけない少女の中に感じた。
 私は奈緒ちゃんは将来オリンピックに出るかも知れないと伝え、記念にサインをくれと、恥ずかしがる本人に押して色紙に書いてもらった。お返しに私はスケートで音楽の世界のオザワになれと小澤さんのサインと写真の色紙を額に入れて、おまじないに贈った。それからある時、家内の実家に行ったらその額が玄関に飾ってあることに気がついた。ひそかに奈緒はこれを何時も眺めてスケートに励んていたことが分かった。それから大学と地域はもとより全国でもじわじわと頭角を現し、8年後の本年2月、オリンピックまでに出場し、見事に二種目入賞、銀メダルを取得するなど、まさにスケートで世界のオザワ、すなわちコダイラとしてトップアスリートの仲間に入った。このことをひそかに小澤さんには伝えてあったが、まさにこれも一つのオザワ効果である。しかも縁あってサイトウ・キネンと同じ松本に職場をおき、松本との関係が出来ている。私は一人で内心これはいい話と思っており、奈緒―オザワ秘話としてみなさんにご紹介します。
 3月26日、二ヶ月ぶりで実家に帰った本人と会い銀メダルを触ってみたが、まさに輝いた重いものであった。かたわら、奈緒は私の幼い孫たちと家の中でスケートを滑る格好をして猫のように戯れていたがこれが銀メダルを取った23歳の娘かと得体の知れない大きさを感じた。本人はさらにソチに向けて励むと云う。
 小澤さんサイトウ・キネン・フェスティバル松本も次の夢に向けて同じである。

                            

                           総合コーディネーター武井勇二

2009年11月17日 (火)

「利口な女狐の物語」フィレンツェ公演

  11月8日(日)、フィレンツェ歌劇場で「利口な女狐の物語」の初日を迎えました。昨年、松本で公演さ れたフィレンツェ歌劇場との共同制作のオペラ。歌手陣はほとんどが松本にも出演したメンバーが揃い (女狐/イザベル・ベイラクダリアン、森番/クィ ン・ケルシー 他)、同窓会みたいな暖かい雰囲気 が舞台裏では漂っていました。そして歌劇場のオー ケストラと合唱、イタリアの子供たちとダンサー。 松本とは少し違う箇所を見比べ、聴き比べるのも両公演を観る一つの楽しみす。      

    記者発表で小澤さんが「現在この世の中で一番の才 能を持つ演出家」と讃えた演出家ロラン・ペリーの イタリアでのデビュー作品に期待する満員の客席は 灯りが下がると共に落ち着き始めたと思ったら、舞台で繰り広げられる世界に惹き付けられ、終始笑っ たり、はっと息をのんだり、とても反応が率直で良 かったです。

    最後の音と共に舞台とオーケストラ ピットが真っ暗になると客席からは嵐の様な拍手と ブラーボ(ブラービ)の声。カーテンコールでは勢 揃いした出演者が何度も手を取り合ってお客さんの鳴り止まない拍手に応えました。 (AS)

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2009年9月 4日 (金)

8月30日2009年

30日、「戦争レクイエム」の最終公演が無事に終わりました。 演奏が終わってから拍手が起こるまでの間は、この日の公演が一番長かったようです。小澤総監督の脳裏に色々な思いが駆け巡ったのでしょう。

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指揮を終えてから、手を下におろすまでの時間は1分にも及ぶように感じられ、その間、観客の皆さんも色々な思いを巡らせたのだと思います。4回の公演を終えた小澤総監督、サイトウ・キネン・オーケストラのメンバー、ソリストの3名、SKF松本合唱団、東京オペラシンガーズ、栗友会合唱団、SKF松本児童合唱団の皆さんはいずれも達成感に満ちた顔をしていました。

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小澤総監督の“実際に戦争を体験している僕がこういう音楽を演奏することで、戦争を知らない若い人たちにも何かを感じてほしい”という思いは、4回の公演を通して間違いなく成就したと思います。

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公演終了後には文化会館の中ホールで、合唱団主催の打ち上げパーティーが行われました。

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2009年9月 2日 (水)

8月29日2009年

29日は午後4時から、今年のゲスト・コンダクター、ロバート・マンさんによるオーケストラコンサート<Aプログラム>が松本文化会館の大ホールで行われました。

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前半は小澤征爾音楽塾オーケストラによるベートーベンの“カヴァティーナ”“大フーガ”、後半はサイトウ・キネン・オーケストラによる同じくベートーベンの交響曲第8番が演奏されました。


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マンさんは前半と後半で、ベートーベンの全く別の音楽性が出た作品をプログラム。マンさんのとても89歳とは思えない指揮ぶりと2つの違うオーケストラにより、その違いが見事に表現されました。

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演奏終了後、鳴りやまない拍手に応え、アンコールとして交響曲第8番の第3楽章が再度演奏され、公演終了後には会館のロビーで、マンさんのCDサイン会が行われました。


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2009年8月30日 (日)

8月28日2009年

13時から文化会館の外で毎年恒例のそばパーティーが行われました。このイヴェントをSKOのメンバーもSKFのスタッフも毎年、とても楽しみにしています。

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ボランティアの皆さん100余名が腕をふるって下さったお蕎麦は全部で16種。どれも作り手の個性が出た美味なお蕎麦で、メンバーにもスタッフにも大好評でした。焼き鳥、天ぷら、いわなの塩焼き、まぐろのかま、種々のデザート・・・。 


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東京から取材に来ていらしたFNNニュース・ジャパンのキャスター、滝川クリステルさんもパーティーにいらしていて、最後には小澤総監督とボランティアの皆さんと記念撮影。今年もとても楽しいそばパーティーでした。

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ボランティアの皆さん、本当にありがとうございました!!!




夜は3回目の「戦争レクイエム」が行われました。

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2009年8月29日 (土)

8月25日2009年

この日も松本文化会館大ホールで、子供のための音楽会が11時からと14時からの2回行われました。

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今回、オーケストラが奏でる音楽を生で聴いた子供たちが、将来サイトウ・キネン・フェスティバル松本のファンになってくれることを願っています。


19時からは「戦争レクイエム」の第一回目の公演が行われました。
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約80分の壮大なレクイエムに、会場は独特の緊張感に包まれ、イギリス兵とドイツ兵役であるテノールとバリトンの歌うウィルフレッド・オウェンの詩に、多くの観客が涙していました。演奏が終わると、この日も24日の公開リハーサル同様、しばらく会場全体に演奏家、観客一人一人の思いがこもった沈黙があり、その後、大きな拍手が沸き起こりました。会場から出てきたお客様たちの中には涙を浮かべていらっしゃる方たちも、大勢いらっしゃいました。


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2009年8月25日 (火)

8月24日2009年

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11:00からと14:00からの2回、子供のための音楽会が行われ、ベートーベンの交響曲第5番と共にアニメのテーマやお馴染の歌の演奏、楽器の紹介などが行われ、子供たちも楽しそうに聴いていました。

午後7時からは、ブリテン<戦争レクイエム>のゲネプロが公開で行われました。
約1時間30分の演奏直後、一瞬の間を開け、拍手が静かに沸き起こりました。
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演奏はカトリック音楽の中、生々しい戦いを描いたのち、二人の敵対する兵士の語りが交わされます。
殺し合いの後、天使の合唱に導かれる中、共に天国に向かう二人にもはや敵対関係は存在しません。又、オーディションで選ばれた子供たちが歌う天使の歌の内容は兵士たちの叫びにも似た祈りの言葉ですが、その歌声は未来への希望に聞こえました。

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小澤征爾総監督はコメントの中で「お客さんが近いところにいるのでみんながすすり泣く声が聞こえて驚いたのを覚えています」と語っています。演奏後の拍手までの一瞬の間は、この曲の重み、音楽の持つ力が凝縮された瞬間の様に感じました。

世界各地で紛争の絶えない現代、この曲の様な出来事が繰り返されない様、強く思います。


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8月23日2009年

8月23日は様々な行事が行われた一日でした。

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午前中、松本付近中心の小・中学校のマーチングバンドによる、サイトウ・キネン・フェスティバル松本歓迎吹奏楽パレードが行われ、4万2千人の観客が見守る中、3千2百人の演奏者たちが、松本駅前から松本城まで堂々とマーチ。

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その後、小澤総監督の指揮の下、合同演奏会が松本城本丸庭園で行われました。「聖者の行進」「上を向いて歩こう」「信濃の国」など、お馴染のメロディーに、公園いっぱいのお客様たちも笑顔で手拍子を打ったり、メロディーを口ずさんだりしていました。

午後4時からは、松本のザ・ハーモニー・ホールでふれあいコンサート≪語りと音楽≫が行われました。前半はニューヨークの名門ジュリアード弦楽四重奏団の共同創設者の一人であるロバート・マンさんの指揮、江口玲さんのピアノ、マンさんの奥様であるルーシー・ローワンさんの朗読でアンデルセンとキプリングの童話と音楽を、後半はマンさん、江口さん、サイトウ・キネン・オーケストラのメンバーによってフランクのピアノ五重奏曲が演奏されました。素晴らしい演奏に小澤総監督も観客の皆さんもスタンディング・オベーションで拍手を送っていました。


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8月22日2009年

ザ・ハーモニーホールで「武満徹メモリアルコンサートⅩⅣ」が行われました。
一四回目を迎える同コンサートは武満徹の作品を中心に日本の若手作曲家の作品を取り上げるコンサートです。

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トランペット奏者高橋敦さん演奏の「径(みち)-ヴィトルド・ルトワフスキ―の追憶にー」(武満徹作曲)で幕が開きました。


同じく武満徹作品の「揺れる鏡の夜明け」では豊嶋泰嗣さん、林七奈さんのヴァイオリン二重奏。続いて、猿谷紀郎さんの作品「すさのつらなり」。
「すさ」とは古来から壁を塗る際に藁等を用い、強度を増したり、壁に浮き上がる独特の模様を「すさ」と呼んだそうです。板倉さんの指揮の下、野平一郎さんのピアノをはじめ様々な楽器が織りなす音の模様を楽しみました。

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続いては原田敬子さんの作品「消失点Ⅱ-b」。原田さんは松本に約8年音楽教室の講師として通っていた事があり、この作品はその間に作曲されました。コントラバス、クラリネット、パーカッションがジャズを連想させる作品でした。

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最後の曲「ア・ストリング・アラウンド・オータム」(武満徹作曲、細川俊夫編)では野平さんのピアノ、川本嘉子さんのヴィオラの二重奏が夏から哀愁の秋そして静かな冬へと向かう移ろいを奏でている様に聞こえました。
終了後、小澤総監督は「猿谷さん、原田さんのさんの作品も面白かったし、どれも素晴らしい演奏だった」とコメントしていました。


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